新万葉染めについて

新万葉染めとは

新万葉染めとは

『新万葉染め』は、その昔から使用されてきた天然色材をそのまま利用する技術です。
基本的には"草木染め"と呼ばれる天然染料染めと同じ、草木や虫など自然由来の原料を用いた染色技法なのですが、新開発の技法を加えることによって、古代の色調をわずかな原料で染め出すことに成功しました。

わずかな原料での染め出しが可能な理由

独自開発の煮出し技術

通常の天然染料染めは原料を煮出して、原料の色素が溶け出た液体(抽出液)を使用して布などを染めます。このとき原料は布や糸と同量が必要です。
一方、新万葉染めは独自に開発した技法で原料を煮出すことで、抽出液の濃度を上げています。
染色に必要な原料は布や糸の重さの20%〜40%程度となり、一般の"草木染め"による染色に比べコストダウンも実現しています。

独自開発の煮出し技術

新たな媒染技術

新たな媒染技術

新万葉染めでは、天然の染料を繊維に定着させる「媒染」という工程でも、新たな技術を採用しています。
従来の天然染料染めでは、染め重ねなど、何度も染めを繰り返すことで色を濃くしていましたが、もちろんそのぶん原料費は高くなります。
それに対して新万葉染めは、一度に色濃く染めることのできる媒染方法を採用することで、染め重ねの手間と原料費をカットしています。

染色に使用する主な天然染料

新万葉染めの技術を使った染色では"天然の材料"にこだわっており、その材料を微粉砕し染料とします。
天然染料として使用する主な材料を紹介します。

-エンジュ-
-エンジュ-
花葉色 花葉色
-マリーゴールド-
-マリーゴールド-
黄色 黄色
-インドアカネ-
-インドアカネ-
茜色 茜色
-コチニール-
-コチニール-
今様色 今様色
-ログウッド-
-ログウッド-
浅縹色 浅縹色

天然染料の可能性をあらためて提示する最新技術

天然染料による染めの可能性をあらためて提示する新技術

『新万葉染め』は京都川端商店(当時はカワバタプリント)と、当時三重大学名誉教授であった木村光雄氏との共同開発によって生まれました。

この技術の開発当時、世界的に環境汚染が問題視されていました。
この時期の弊社は手捺染でのプリント事業を行っており使用するインクの廃棄問題や廃水問題を抱えていました。

問題を解決するべく、材料に天然由来のものを使用する『新万葉染め』を応用した新技術「eプリント」を開発。
この技術は石油系の合成染料は使用せず、天然色素のみでTシャツなど製品にプリントをする技術。
使用する材料や補助剤に自然界に存在するものを使用しているため、廃棄の際には自然に回帰します。
この技術の経験は、現在の『新万葉染め』による"色の発色"や"廃水"の問題にも活かされています。

『新万葉染め』では、天然染料による草木染めでは再現しづらい豊かな色彩を再現でき、何度も染め重ねが必要になる濃色も手間をかけずに再現することが可能です。
また廃水に関しても、染液や媒染液ともに自然に回帰するものを使用することで環境に配慮しています。

従来の天然染料染めでは難しかったことを可能にした『新万葉染め』は"天然染料による染めの可能性"を改めて提示します。

木村光雄先生プロフィール

1933年、大阪の布帛卸商の次男として出生。
反物を友として成長し大阪府立大学工学部卒。
研究室に残って助手を10年。学位取得後、福井大工学部助教授。
スイス連邦工科大学へ学術共同研究員として出張。
その後京都工芸繊維大学工芸学部助教授に転任、1980年から三重大学教育学部教授。
定年後、神戸女子大学家政学部大学院で二度目の定年。
三重大学および神戸女子大学名誉教授。工学博士。(有)DNR取締役、日本染織文化協会々長。
※残念ながら、木村光雄先生は2014年に他界されました。木村光雄先生のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

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